Depatures (Okuribito)

集英社の「スポルティーバ」に福留孝介選手の記事を寄稿しました。
 先週はリグレーフィールドで7連戦があり、カブスづけ。福留選手も協力的だったので、面白いエピソードはたくさんあったのですが、ページ数がかぎられていて、残念。また後半戦にじっくりインタビューしたいものです。

 そんな折も折、「パパはね、何か心配ごとがあってもママに心配かけたくないからって、昔からぎりぎりまで話してくれないのよねー」なんて話を長女としていました。
 思えば、結婚してすぐ、伝染性の病気(インフルエンザではありません)にかかったときもそう。
 去年の9月、私がちょっと留守にしている間、地下が水害でうまったときもそう。
「前もって話すと心配すると思ったから・・・・」と言われても、現実に直面して地下を大掃除するのは私なんだから。(夫はそのとき交通事故の直後でまだ松葉づえだったのです。シャワー室にイスをもちこみ、座ってもらって体を洗ってあげたりもしました。アメリカは退院が早いから家族でサポートしないとね、日本からは誰もこないし(笑)
 
 話はそれたけど、長女が「パパってdepatures みたいだね!」と言ったので、大笑い。
 depatures というのはアカデミー賞で話題になった「おくりびと」のこと。子供にはまだ早すぎるかと思ったけど、すごく楽しんでいました。
 たしかにアメリカは土葬中心だからありえそうにないけれど、夫も最初は心配して私には本当に職業を説明しないような気がします。

 まだ14歳なのに、実は非常にいろいろと苦労をかけてしまっています。心配がつきません。
 私がついうたた寝をしてしまい、まだ6歳かそこらだったのに自主的に下の子のおむつを替えていた記憶があります。
 今も「パパに食べてもらう!」と言って、ほぼ毎日キッチンで昼食と夕食を用意して、合間にはオーブンでお菓子づくり。
 先日それをマサキ・ラッシュさんにさしいれしたところ、それはもう喜んでもらえました。
 人を喜ばすこと。料理も仕事も家族も友人関係も基本はそれに尽きてしまうのではないでしょうか。その逆は×。足をひっぱりあうような関係はごめんです。
 

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幸せのレシピ

「I am Legend」をまだ見ていなかった長女が、一緒に借りたDVDが「No reservations/幸せのレシピ」だった。「LegendよりNo Reservationsがすごくよかったよ!」と何度も言うので、領収書を整理しながら一人で夜中に見た。うーん、たしかに、すごくよいわ。

 新しい試みは何もない、ごくごく正統派の映画だ。悲しみと笑い、家族、恋愛、哲学、仕事への情熱といったテーマがもりこまれ、映像が美しく、役者がみんな魅力的だ。
 つまり今まで使い古されてきたテーマであり、映画としてはごくごくありふれた技法なのに、どうしてこんなにもハートウォーミングなのかしら。ところどころで涙がでそうなほど、せつなくなった。
 何度でも繰り返し見て、ズィーラやケイトやニックに会いたくなる。
 
自分のことワークホリックで嫌になった時期がある。
 20代そこそこのとき、高校の友人たちがHANAKOという雑誌を見て、わざわざ都心までフランス料理を食べにいってきたという話を聞いて、びっくりした。
 当時の私にとって食事なんてものは、記者席とか打ち合わせで仕事の合間にかっこむものであり、味わったりする余裕がなかった。ましてや、食事のためにわざわざ電車に乗ってでかけていく感覚とは、かけ離れたところにいた。自分に愕然としたのである。
 なんだか一人だけ違う世界に飛んでしまったような疎外感。
 といいつつ、すぐに忘れてしまい、選手やコーチや編集者と飲みに出かけたりする毎日だった。それあそれで充実した日々だったから。

 20代30代で映画なんて見にいくことはほとんどなかった。いつも取材とアポと締め切りに追われ、頭の中はそれでいっぱい。
 ましてやテレビなんて・・・。
 イチローが古畑仁三郎を好きだといえば、一応は見てみるけど。あれってイチローが出た回以外は、意外と面白くなかったな。

 「I am Legend」といえば、カブスのリッチ・ハーデンの息子がロッカーのいちばん下の棚にもぐりこんでいたことがあり、福留孝介は「アイアムレジェントみたいだなあ」と大笑していたことあった。
 映画も見ておかなくっちゃと思うのは、ああいう瞬間だけだった。選手はけっこういろいろ見ているから話がつながらなくなっちゃう。

 恋をしたケイトはだんだん女らしい表情に変わっていく。
 ニックとの出会いは最悪だったのに。オペラ好きで、いきなり「トゥーランドット」(笑)をがんがん厨房で奏でて、ケイトをむかつかせる。
 
 岸本葉子さんのエッセイで、「おばバカ」という言葉が使われていた。たしかに姪というのは自分の子供と同じぐらいかわいいもので、ついついかまいたくなってしまいがちだ。
 ケイトは姪をひきとり、ニックと知り合うことで、人生観をどんどん変えていくのに、客にはむかう欠点だけは変わらず、むしろパワーアップしていくくだりが、痛快だった。

Life isn't always made to order.(人生はいつも注文できるとはかぎらない) 

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