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ご破算


関西人ののりなので、かなり面白おかしくデフォルメしてあり、読後感は決して悪いものではありません。
 それでも「自己破産」の恐ろしさはリアルに伝わってきます。
 とくに裁判所関係の男3人がドアの鍵をこわして、いきなり自宅に踏み込んでくるくだりとか・・・。銀行が893になるという話はよく聞きましたが、公務員も必ずしも弱気の味方というわけではないようです。

 私はたまたまバブル崩壊の直前に、アメリカに拠点を移してしまったため、友だち任せに証券に預けていたものを引き出していました。はじめて不動産を買ったのも、アメリカ。あのまま日本にいたら、なんらかの損害を受けていたと思います。あの時代に生きていたら、まったく損害ゼロの社会人のほうが少なかったのではないでしょうか?
 とはいえ、アメリカ経済はこんなですから、来年は私の順番かもしれません。
 明日は誰でもわが身なのだということが、この本を読むとよくわかります。
 だって、花井さんは仕事好きの女性ではありましたが、財テクとかそういうのに興味があったわけではなかったからです。
 親のためとか子供(花井さんの場合は猫ちゃんですけど)のためとか、私利私欲からはかけ離れたところにいて、ただ自分の仕事に没頭していただけなのです。

 ただ私はピントがずれているのかもしれませんけど、涙なくして読めなかったのは、お母さんがインフルエンザで急逝されてしまうくだりと、お父さんがそれでもお母さんのことを愛しつづけながら、末期がんで逝ってしまうくだりです。

 背筋が寒くなり、おもわず親にスカイプしてしまいました。(こういうとき、無料のスカイプを使うところが私のせこさですが、スカイぷの良さはテレビ電話です!)74歳の母が大雨だというのに外出してしまったと聞き、心配で心配で、帰宅するまでつなぎっぱなしでした。
 
 今ちょうど携帯電話が増えすぎてしまったので、整理しているところなのですが、母にもたせている携帯だけは絶対にキープしたおこう!と心に決めました。あまり使っていませんけど、いざというときは頼りになるはずです。

 私の両親は欠点だってありますけど、尊敬できるところ、影響うけたい美徳をたくさんもっていて、ともかく子供の幸せを第一に考えるところ、それから、子供の次に孫を大事に考えています。いつだって自分のことは2の次、3の次なのです。もう若くないのだから、感謝しているけど、私はそこが心配なのです。もっと演劇とか旅行とか、自分たちの楽しみに時間と年金を使ってほしいのですが。
宝塚が好きで、子供のころはよく連れていってもらいました。

 それと昔から淡泊なのは、遺産相続といった類の話題。
 私の祖父母にあたる人たちが亡くなったときは、一応おおぜいいる兄弟と「どうする?」と電話で話しあっているのですが、あまり関心はなさそうでした。田舎の元地主だから土地とか、家とか、いろいろあったはずなのですが、ドラマや小説のようにこじれた場面を見たことがないのです。親戚もみんな淡泊で、争いごとがないのです。たぶんこれが梅田家の「血脈」なんだと思います。小説になりそうもない、実につまらない平凡な一族なのです。

 私は3人姉妹の長女なのですが、妹たちも妙にあっさりしたところがあるので、将来たぶん何ももめないと思うのです。
 下の妹は銀行でOLしていいたとき、貸金庫の部門とかで、もめるのをたくさん見てきたそうで、
「そんなこと言っても、いざとなるともめるんだよー。ちゃんと書類とか文書にしておいたほうがいいんだよ」なんて言っていましたが、実際に法的なアクションを起こす気配はありません。だから、やっぱり楽観視しているのだと思います。

 人格者はいませんけれど、自分の親をみて育っていますから。妹2人も私と同じように家族のことを第一に考え、3人とも2人ずつ子供をもち、それぞれの夫と一緒に身の丈にあった持家の手入れをしながら、平凡に生きています。小説のネタにもなりゃしません。(笑)だから、TBSテレビのシンクロナイズド・スケートのドキュメンタリーで、妹一家でうつしだされたときはびっくりしました。

 花井さんの本にでてくる叔父と腹違いの兄弟というのは、本当に恐ろしかったです。あんな面倒なことをしてまで、お金ってほしいものなのでしょうか?彼らは結局1000万円をゲットしたそうですが、うれしかったんでしょうかねぇ。働かずに1000万円も入ったのだから、うれしかったのかな?
 
 その反面、花井さんの両親の家族愛が美しく、心にしみました。
 まだまだ不況はつづきそうです。こういうときだからこそ、最強の武器は財産とかではなく、家族の絆だという気がするのです。

 正直いって花井さんの少女小説は1冊も読んだことがなかったのですが、今度はアンテナをはり、次回作はかならず読みたいと思います。


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コメント

コメントありがとうございます。
「この世で大事なカネの話」のことですか?あの本は私が書いたわけではないんですけど、よーく読んでみると、あの作者もやっぱりお金より家族とか人の心のつながりのことを大切に考えているというオチがつくのです。

まったくお金を大事に思っていないからギャンブルで、ガンガン使ってしまうのが西原さん。

財テクしようにもギャンブルしようにも、そんな大金を所有したことがなく、ほとんど関心がないまま大人になってしまったワタクシなのでした。

投稿: 徳永英明 | 2009年7月 2日 (木) 22時34分

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