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ニューヨーク暮らし

  渡辺葉さんは前に岸本葉子さんと往復書簡したものが面白かったので、この本も買ってみた。

 正直、うーん。こういうのをアメリカ生活本として出版していいものだろうか?

 あとがきに読んだ人は誰もがニューヨークで暮らしたくなるはず、と書かれているが、それはそうでしょう?
 ニューヨークで役者とダンサーを心ざし、結婚して離婚して、またまた一人暮らし&新しい恋愛。おしゃれな人生なので、女性誌むきかも。 

 世界一物価の高い町、しかも、長期滞在するためには学生ビザか何かでつないだり、法律ぎりぎりの工夫をこらす必要があるし、費用だって普通の金額ではおさまらない。滞在ビザは年々厳しくなっているから、地球の歩き方のロングステイ本をみても、アメリカははずしてあるほどだ。

 でも、この本では一切ビザにはふれていない。
 椎名誠さんの娘だということを隠しているわけではないけど、そのこともこの本では一切ふれていない。


 「岳物語」の主人公になった弟のほうはフォトグラファーをめざしていると別な著作にあった。
 
 私とは同世代で、ご近所の育ちなので、今までこうした一連の著作も楽しんできた。この本も前半まで楽しく読んでいた。が、旅行保険の数万円をおしみ、まったく保険に入っていないというくだりを読んで、とても嫌な気分になった。

 バブル期のアメリカは、石を投げたらぶっかってしまいそうなほど、有名人の子供がそこら中にあふれていた。
 政治家や芸能人の子供とか、某巨大宗教団体の創始者の子供とか、いくらでもいた感じ。留学生という名目で何をしているのか、よくわからなかったけれど、親にしてみると、「うちの子はアメリカに留学しています」といえば、きこえがよく、面倒も避けられたのだと思う。

 彼らはたいていクレジットカードで、ベンツ一台ぐらいなら簡単に買い物をしていたが、その反面、妙なところで吝嗇で、部屋にきた友だちからオレンジジュース1杯のお金を請求したりしていた。
 旅行保険の問題もそう。ほんの数万円をおしみ、盲腸炎の手術になり、200万円ぐらいの請求がくると、大慌てして「今から入れる旅行保険はないんですか?」と聞いてまわり、「大使館に相談しなきゃ」とか言っていた。

 まあ、有名人が親だったら200万円ぐらいどってことないだろうけれど、交通事故にまきこまれたら、それではすまない。

 だから、しつこいけど、また私は書いておかなくてはいけないと思う。
 海外旅行に行くとき、ましてや長期滞在するときは、必ず旅行保険にはいりましょう。
 携行品とか死亡保険とか、パッケージでいろいろつけると、保険金も高くなるけれど、ケガと病気にたいする医療費だけにしぼれば、それほど高額にはならない。
 掛け捨てだからもったいないけれど、保険がないと入院できない病院も少なくないので、注意しないとね。

 ほんの数年、若いタレントがニューヨークに住んだ体験記ならともかく、在米エッセイストを名のる人がこういうお手軽な内容のニューヨーク本を出すことに、疑問を感じている。「責任能力」の欠如と書いたら、言いすぎだろうか?

 たしかに楽しいことやほめることばかり書いていられたら、それはとても気楽なこと。でも、文章を書いて伝えることを生業とするのならば、それだけではだめなはずだ。


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